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聖母肛虐 001

作者:佚名 分類:其他 更新時間:2026-08-27 07:53:34

聖母肛虐

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* ・ 聖 母 肛 虐 ・ *

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* ・ 扇 紳之介 ・ *

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◆ § 《 グリーンドア 文 庫 》 § ◆

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・ 目 次 ・

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「左絵−−肛淫の冬」・・・・・・・・・・・・・・50行

「伊代−−聖母 肛虐」・・・・・・・・・・・・777行

「晴美−−教え娘(ご)の菊花」・・・・・・・1506行

「裕子−−悅虐の親娘」・・・・・・・・・・・2108行

「雪帆−−妖色の柔襞」・・・・・・・・・・・2797行

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左絵−−肛淫の冬

冬の季節にはいって、小さな貿易商社であった會社が倒産し、中原左絵は失職した。

左絵に妖しい性愛を教えたドイツ人社長フリッツ・レンツは半ば逃げるようにして本國の西ドイツに帰り、もう二度と日本に戻って來ることはないだろう。フリッツ・レンツの専屬秘書であった左絵は、仕事を失ったのと同時に愛人をも失ったのであった。左絵にとって今年の冬は暗い冬になりそうであった。

左絵は、二十五歳になっていた。

左絵はめったに街へ出かけることもせずほとんど家にひき籠って、何をするということなく無為に日を過ごした。時々、フリッツ・レンツが殘していったマドロスパイプを口にくわえてぼんやり椅子に座っていた。いすはゆり椅子で、それはちいさく揺れたり、長いあいだ靜止したりした。それは椅子に座っている女の、孤獨な想いの振幅を表しているようだった。そして夕暮れの闇が部屋を覆う。そのつめたい気配の中で、左絵の體は熱くうずくことがあった。

(あれをされたい)

左絵は胸のなかでつぶやく。

毎日、あれをされたいと想い続けた。

ある日、なじみのクリーニング屋の店員がいつものように禦用聞きに來ると、

「ちょっと、上がって。たのみたいことがあるから」

と、左絵は言った。左絵は考えて、このクリーニング屋の店員に的を絞ったようだ。

「はい」

中學卒らしい稚な顔の店員は、すなおに靴をぬいでフロアに上がった。顔は少年だが、赤いソックスを穿いている足が大きい。さほどに背は高くないが、労働になじんでいる體はがっしりしていて、手も大きい。

「ヘんな話だけど、わたし、便秘で困ってるの。浣腸してくれない?」

左絵は言った。

「え? かんちょう?」

と、店員は言い、妙に顔が赤くなった。

「たのむわ。助けてちょうだい、ね」

押っかぶぜるように左絵が言うと、店員はうなずいて、また顔を赤くした。

社長のフリッツ・レンツが愛用していた醫家用浣腸器は、左絵の寢室に秘蔵されていた。

それは幾種類もあって30ccの小型から50〇ccの大型のものまで、十數本もある。

いそぎ足に寢室にはいった左絵は、その秘蔵品の中から100ccのをえらんだが、思い直して50ccのにとりかえた。

トイレに浣腸の準備をして、いそぎ足にリビングルームにもどると、クリーニング屋の店員は落ち著かない様子で煙草を吸っていた。煙草の灰が灰皿の外にこぼれていた。

目で、左絵はうながした。

「はい」

と言って店員は椅子から立ち上がった。

「りっぱな體格ね」

と、左絵は笑った。

すると相手は緊張をほぐされたように、すこし笑った。

「俺、背が低いです」

「いいえ、それくらいでちょうどいいわ」

その左絵の言葉に、店員はいかにもうれしそうににっこり笑った。左絵は胸の中でおかしくなったが、さりげなく、

「こちらよ」

「はい」

店員は左絵のあとにしたがった。

清潔な、ぜいたくな造りのトイレの中で左絵はスラックスをおろし、パンティをおろして、洋式便器に逆のかっこうで座って裸の尻を差し出すと、アヌスにワセリンをぬった。

「じゃ、おねがいするわ」

左絵は浣腸器を取り上げてうしろに廻した。

「ごめんなさいね、こんなことお願いして」

「いいえ」

浣腸器は店員の手に移った。

ガラスの肌が青く光る、その注射器型浣腸器のポンプを彼はちょっといじってみて、身をかがめた。

左絵は尻をもたげた。

「オウ」

という聲を店員は洩らした。

もたげている白い豊麗な臀丘のはざまにおんなの柔襞がのぞき、油の光るアヌスがあらわに展示されている。知性的な美しい女性がこういう大膽なことをするのに、年若の店員はよほどおどろいたのだ。そのおどろきがオウという聲になったのに違いない。

「あなた、落ち著いてよ」

と、左絵は言った。すると店員はまるい頬をまっ赤にして、怒ったように、

「落ち著いてます」

「やわらかく押しこんてください」

と、左絵は言う。

「はい」

店員は憤重な手つきで、L字型の嘴管をゆっくり差し入れた。

「よくはいりましたか」

と、柔らかく左絵は言う。

「はい。はいりました」

店員の聲は硬い。

「じゃ、ポンプを押してお薬を入れてください」

「中原さん」

薬は何ですか、と店員は訊(き)いた。

「グリセリンを水でうすめたものよ。よく効くのよ。少しずつ入れてね」

言われるとおり、店員はゆっくりポンプを押して少しずつ注入していく。

「アア………」

左絵の口からあえぎが洩れた。それから「うーん」とうめくような聲をあげて、美麗な白い尻が固くしこった。

ガラス筒をくわえているアヌスもきゅっとしまって、

「アア、いい………」

うっとりして薬液をむさぼり飲むのだ。

きゅっとしまったアヌスが、乳をよろこぶ嬰児のくちびるのように店員にはおもわれた。

「ゆっくりいれてね」

泣くような聲で左絵は言い、手をうしろにまわして尻を撫でまわし、

「アア、すごく気持ちいいわ」

左絵はほんとにすすり泣きだした。

「効(き)くわ………ああッ、効くゥ! 効くゥ!」

尻を撫でまわしていた手は臀肉をぎゅっとわしづかみにして、

「いれてしまって!」

「はい」

店員はポンプを押しきった。

「ウーン」

左絵は絶え入るようなうめき聲をあげて、臀肉がちぎれるほどにぎりしめた。柔らかなヌメ白い尻肌に爪がくいこみ血がにじんだ。

にぎりしめて、左絵は硬直していた。

やがて、低くすすり泣きを洩らし、それがとだえると、

「もういいわ、ありがとう」

と、左絵は言った。アヌスは空(から)になった浣腸をなお勁(つよ)くくわえていて、そしておんなの花襞が濡れている。透明な液がしたたり落ちている。この人はほんとうに便秘なのだろうか。店員はその疑いを持った。しかし、それはかすかな疑惑だった。この年若な店員は未だ童貞で、それゆえに性的に無知なものがあった。

強烈な便意が、左絵を襲った。

左絵は姿勢を変え、洋式便器に正式な座り方で座った。

「あなた、出ていて。わたしが排泄するのをあなた見たくもないでしょうし、わたしも見せたくないわ。リビングで待っててちょうだい。帰らないで、待っててね」

彼が出て行き、左絵は一人になると手をうしろにまわして浣腸をにぎった。衝きあげてくる便意に堪えながら、いとおしむようにしばらく筒をじっとにぎっていた。やがて、しずかにぬいた。

せきを切った勢いで、左絵ははげしく排泄した。

リビングルームにもどると、店員は椅子に座って火をつけてない煙草を唇のはしにくわえていた。その顔で、笑った。はずかしそうな微笑だった。頬は赤らみ、まだ興奮を殘している顔色だ。

「誰にも言わないでね」

左絵は言った。店員はうなずいた。左絵は一萬円劄を差し出した。店員はそれを受け取ることを拒んだが、左絵は押しつけた。

「もういいわ。帰って」

と、冷淡な口調で言った。

四、五日して、近所の道で、左絵はクリーニング屋の店員と出逢った。小雨が降っていたが、車道の向こう側の沢クルミの並木には光が射していて、こちら側は雨、向こう側は天気であった。左絵はウールのおしゃれなコートを著、ブルーの雨傘をさして俯きかげんに足を運んでいた。前に人が立ちはだかったので、左絵は目をあげた。

「今日は」

と、店員は言った。彼は今日は公休日で、じつは左絵の家をおどずれたのだが、左絵が不在だったので、むなしくひき返して來るところだった。

彼は、正直にそのことを言った。門口に立ってブザーを鳴らし続けたことを言った。

「就職のことで、ひさしぶりに外出したの。三人の人に會って、お話をして、なんだか神経が疲れちゃったわ」

左絵は言った。その気品のある澄んだ瞳はあらぬ方に向けられていて、

「麵白いわねえ。あっちはお天気で、こちらは雨だわ。こんな降り方………」

言ううちに、向こう側の歩道も陽の色が消えて、雨景色になった。雨あしがはげしくなった。

「ここで中原さんに逢えてうれしい」

聲を張って店員は言った。

左絵はだまってその赤らんでいる彼の顔を見、かすかに笑った。にが笑いのようなものだった。

左絵は何も言わず、背中を向けて歩きだした。店員はついてきた。

「こないだのこと、誰にも言わなかった?」

傘の中から左絵は言った。

「言いませんよ!」

怒ったように店員は答えた。

「ねえ、あなたの名前は?」

「山田次郎」

「山田くん、ガールフレンドは?」

「いませんよ」

と、山田次郎は言い、傘をくるくるとまわした。彼は愉しかった。道で左絵と出逢ったことが、神のみちびきのようにおもわれた。

ブルーの女傘と黒い男物の傘が、左絵の部屋の玄関で仲良く並んで、雨の雫を吐いた。左絵は黒い傘から、ふと、フリッツ・レンツを想った。いつか雨の日に、レンツの黒い傘がこのように傘立てに置かれたことがある。イタリー製〈グッチ〉の高階傘であった。なんでも高階品の好きな男であった。ふさふさとした金髪、湖(うみ)のようなあおい眼、するどい容貌の美男子であった。ダンディで好色で性倒錯者で、左絵に妖しい性愛を仕込んだそのドイツ人社長は事業に破れ、もはや永久に日本にもどって來ないだろう。

左絵は、リビングルームでコーヒーをいれながら目頭が熱くなった。フリッツが日本を去ってから、左絵は戀の感情を知ったようだった。フリッツによって、二十五歳の若い**が満たされているときには、精神的なあこがれは薄かった。愛情というものについて考えるゆとりもないほど、左絵は體を翻弄されていた。エネマとアナルセックスの暴虐的な性愛だった。

フリッツが、左絵の子宮を愛したことはすくない。

「ね、浣腸したい?」

コーヒーを差し出して、左絵は言った。相手の気持ちをみすかして、これは意地悪な問いかけだ。

山田次郎は赤くなった。

「じゃ、やってもらおうかしら」

左絵はつづけて意地悪なことは言わなかった。

「あなたが秘密を守ってくれれば」

左絵は本心を言った。

「守ります」

山田次郎は、強く、短く言った。

左絵はにわかにこの年若な男の**を見たくなった。で、風呂にはいるように彼にすすめた。私もいっしょにはいるわ、と言った。

「ねえ、見せて」

湯舟の中で左絵は笑って、指で湯をはじいた。山田の顔が濡れた。向かい合って二人はしゃがんでいた。山田は左絵のゆたかな白い胸を見ていた。ねえ、と左絵はまた湯をかけた。

山田は立ち上がった。

しゃがんでいる左絵の目の前にいきなり、活きのいいペニスがあらわれた。それは硬く太く反りかえって、猛々(たけだけ)しい雄のシンボルだった。

左絵は息をのんだ顔になり、

「−−スゴイ」

と、嘆聲を洩らした。ピンクいろに光るみずみずしい巨根だ。

左絵はそれをにぎり、頬ずりした。熱い肉塊だった。頬を焦(こ)がすように灼熱している。

「したいのね? 今日はさせてあげるわ」

と、左絵はしきりに頬ずりをくりかえす。

「ねえ、きみ、童貞でしょ」

うん、と山田はうなずいた。美しい女性に頬ずりされて彼は震えている。あえぐような荒い息づかいだ。

「ほんとにすごいわ、あなたの。わたしを女にした男は外人だったけど、その彼のモノにくらべて見劣りがしないわ」

左絵は花弁のような口をあけてそれをふくんだ。刹那、若者は「おお」という聲をあげ、はげしく震えた。

左絵は両手で根もとをにぎり、あごがはずれるほどせいいっぱい口をあけてふかくふくんだ。蛭(ひる)のように舌がうごめく。

「ああ………」

と、山田は泣くような聲で、

「左絵さん………ああ左絵さん………」

もうやめてくれ、たまンないよ、と言う。

左絵は口から唾液を吐き出して、

「だめよ、こらえるのよ」

そう言って、ふたたびくわえると、美しい唇でむさぼりだした。しゃぶる音、吸う音がする。美しい唇は**な魔物のようで、殘忍だった。山田はもがいたが左絵は離さず、口でむさぼりつづけた。

美しいくちびるの殘忍な責めに、山田は堪えきれず放ち、果てた。瞬間、左絵の口腔で肉砲が脈動した。ズキン、ズキンと左絵の舌にひびいた。そして、なまぐさいものが左絵の口腔にあふれた。

しばらく左絵はそれを口の中に溜め、湯舟からあがってよつんばいになってゆっくり吐きだした。

「次郎さん、きみは若いから」

すぐ回復するでしょう、と左絵は挑発的なポーズを保って、笑った。

「どう、この私のお尻、いい?」

燈がともり、湯気がもやっている浴室の流し場、全裸よつんばいの肢體は、盛りあがっている曲線美の尻が乳色にかがやいて、眺めている次郎はあらたな昂りに襲われている。

「次郎、さ、浣腸してよ」

この前は50cc浣腸器を使った。今日は300cc浣腸器を左絵は浴室に持ち込んできていた。グリセリン液の大瓶も用意されている。

湯舟を出て、次郎がうしろにしゃがんだ。

瓶の栓を抜いて、グリセリン液を洗麵器にそそぐ。

「水で薄めるのよ」

左絵が言うと、

「わかってるよ」

次郎はピシャッと白い尻を叩いた。

「うう」

と、左絵は聲をあげる。反らした白い咽に青く血管が浮いて、左絵もずいぶん昂っている。

次郎は適當に水でうすめた薬液を浣腸器に吸入した。容量300ccの浣腸器となるとすごい大型で、ぶきみな感じさえある。ポンプも重い。そして、液がどっぷり入る。

「こういうの、SMプレイっていうんだろ」

次郎もいちおうそういう用語を知っているのだ。言葉は知っているが、そういう世界は現実感がなく、地球のそとで妖しく光っている星のようなものであった。彼にとっては“女性”が遠い星であり、SM性愛はさらに遠い妖かしの惑星であった。その妖美の惑星に彼はいま踏みこんでいるのだ。

「左絵さん、これはSMプレイだね」

「そうよ」

と、左絵が答えた。

「中原左絵はふつうでは感じないのよ。子宮は二番目なのよ。いや。こんなこと言って恥ずかしいわ」

左絵はじっさい恥ずかしそうに笑ったが、腰を高くあげて白鹿の臀丘を割りひらいた。

「はっきり言っちゃうわ。左絵はアヌス責めで狂うのよ。浣腸は前戯よ。すばらしい前戯だわ。便秘というのはウソよ。さっき言った外人の男………ドイツ人の社長だった男が私を性倒錯の女にしてしまったのよ。してよ、さ、つきさして薬をいれてよ」

「よし」

次郎はツバをぬって、太い嘴管を差し込んだ。やさしくすぼまっている菊花が、柔らかく肉の扉を開いてガラスの筒先を迎え入れると、はやくも左絵は「ああン」と泣いて尻をよじった。

左絵は低いうめき聲になり、小きざみに尻を震わせながら薬液を飲んでいく。おんなの粘膜が濡れ、うすい白い液がながれてエネマ筒をすべった。

「い、いくウ………」

「浣腸だけで?」

と、次郎は問う。

がくり、がくりと左絵はうなずいて、

「いくウ!」

ドイツの混聲合唱の歌曲がオーディオから低くながれている寢室。

うす暗くしたシャンデリアのオレンジいろの明かり。ドイツ産のワインの暗い紅色。

左絵の髪が、シルクのように光る。

髪をほどいて長く背に垂らして、上半身は裸、腰に黒いガードルを著け、黒いストッキングを穿いている。ガードルは紐狀で、うしろは白い尻の丸みが露出し、まえは恥毛の茂みがあらわになって、理知的な美貌の中原左絵の娼婦スタイルだ。フリッツの好みで、左絵はよくこの扮裝をさせられた。フリッツはハンブルグのボルデル(女郎屋)、飾り窓の娼婦をイメージして、

「いい男。私を買って。私のこのお尻を料理してちょうだいな。今夜、私のお尻は貴男を待っていたのだわ。運命よ、あなた」

左絵にそういうセリフを吐かせた。

「ねえ、あなた、わたしのお尻を鞭で熱くして」

そんなセリフも吐かせた。

また、娼婦らしく露骨に、

「エネマして」

とか、

「うしろを掘って」

などとも言わせた。

ひさしぶりに、左絵は娼婦スタイルになって當時のムードがなまなましくよみがえったが、あの美男の淫蕩なあそび人のフリッツにくらべると、この年少のクリーニング屋の店員は、あわれなほどヤボッたい。しかし、その泥臭いところが、また妙に可愛らしいのだ。

悩殺的にエロチックな外人娼婦スタイルでグラスに紅いワインをつぐ左絵のその姿を彼はじっとみつめている。

「こんなかっこう、好きじゃない?」

左絵はさぐるように次郎の眼を見て、グラスを渡した。次郎はぐいと飲んだ。

「ねえ、あなたも脫いだら」

寢室の中ではフリッツも常に全裸だった。三麵鏡に二人の裸形を映して眺め合ったりしたものだった。

「泣けてきそうになるわ」

と、左絵は悲しげに笑って、ワインを咽に入れた。

「なぜ?」

山田次郎は重い聲を吐いた。

「忘れたいのよ」

左絵は呷(あお)るようにワインを飲みほして、またグラスに注ぐ。

ソファから次郎は立ち上がって、ガウンを脫いだ。風呂を上がって、左絵が貸してくれたその上等のガウンは外人の情夫が使っていたものだろう。次郎は脫いで、床に放った。下著はつけていず、たちまち全裸だ。

ワイングラスを口もとにかかげて、左絵は三麵鏡を見た。鏡の中で、泥臭い年若な男の活きのいいピンクいろのペニスを見る。それは怒り、直立している。

次郎は、テーブルに置かれている電気スタンドを持ち上げて見せた。雄渾な肉のクレーンがらくらくと持ち上げて、

「水のはいったバケツでも、俺は、持ち上げてみせる」

「すごい」

左絵の美しい眼がきらきら光って、

「ごほうびよ」

と、力をみなぎらぜているその肉のクレーンにワインをそそぐ。灼けた肉鉄は微動だにしない。

左絵はつぎにワインの瓶を逆さまにしてそそいだ。次郎は、いっそう奮い立った。

左絵は何か叫び、電気スタンドを床に転がすと、次郎の前に膝をついて座り、美しい唇をいっぱいひらいてふくんだ。左絵のその行為はすばやかった。

次郎は果てることを怖れ、

「それはもういい。ああ、やめてくれ、左絵さん。俺は本番をしたい!」

ホンバン。彼はそういう特殊用語を知っているが、マントルやデートクラブやピンクサロンなどは遠い星の世界である。

「アア、やめろ! 本番ッ」

かわいそうになり、左絵は唇を離した。

彼をベッドに上がらせて、左絵はワセリンをアヌスにぬると、ベッドに身を倒した。一回転して、俯せになった。

羽根枕に顔をうずめて、左絵は尻を小高く持ち上げた。黒いガードルがからんでいる白い豊満な臀丘を割りひらいて、

「次郎、アヌスよ」

と、念を押すように言った。

次郎は答えず、ひくくうなるような聲を洩らして肉鉄をあてがった。

「上突きに」

左絵は言った。

「出來るだろうか」

と、次郎が言う。

「出來るわ。わたしのソコ、開発されているから、次郎、思いきって殘酷に」

言われるとおり、次郎は殘酷にぶちこんだ。ワセリンの油にのってせまい肉の扉を突破して、腸腔にめりこんだ。開発されているとはいえ、刹那、痛みが走って、

「あ、ウ………」

と、左絵はうめいた。しかし、つぎに左絵はおどろきの聲をあげた。

「どうしたのよ、次郎」

次郎は果てたのだ。インして、數秒であった。なんともあっけなく彼は放って、萎えてしまった。

「よかったよ、左絵さん」

「ばか」

左絵は枕を叩いた。

聡明な感じが気にいったのよ。

左絵の就職をOKした、タチバナ商事の女社長立花英子はそう言って、

「間のぬけたようなキレイな顔はきらいよ。知性美がなくてはだめね。それは眼だわ。どんなに顔立ちがよくても眼にかがやきがなくてはだめだわ。あなたの瞳には英知のかがやきがありますね」

寶石のような眼だとほめ、また、體のプロポーションについても立花英子はほめた。

そういう立花英子自身、勝気そうなきりっとした美貌で、眼もいきいきとして、ときにするどく光った。

怖い、美しい眼であった。體は大柄で、のびのびとした肢體の持ち主である。

「未亡人だけど彼氏がいるのよ」

プライベートなこともちょっと洩らしたのは、よほど左絵に対して親しみをもったためだろう。

左絵は事務員として入社したのだ。知人の紹介や伝手(つて)があったわけではなく、山田次郎が左絵の家に持って來た就職新聞の求人広告を見て、ひやかし半分に麵接を受けてみたのだ。その結果、即時採用された。

タチバナ商事は株式會社とはいえ小ぢんまりとしたもので、オフィス街の裏通りのビルの一階を借りて、営業している。フランス製高階化粧品の販売會社で、五、六人の女性販売員を使っている。彼女たちは朝九時に出勤し、十時になると化粧品を詰めたグリーンの革鞄を提げて、思い思いに街へ散って行く。

そのあとは、社長の立花英子と新顔の事務員中原左絵と二人きりになって、このちいさな會社はがらんとしてしまう。社長の下に、課長や係長などの管理職の人間がいるのではなく內勤社員は左絵一人だ。

左絵は、仕事が速い。だから、時間をもてあまして家から持ってきた小説などを読んだりするが、そういう自由を、立花英子はみとめていた。なにしろ、仕事はそつなくきちんと片付けられているのだ。

英子は、株式投資に凝っていて、ほとんど奧の部屋に籠もってケイセンを作ったり株式情報誌を読んだり、電話で証券マンと打ち合わせをしたりしている。そうでないときは、よく謡(うた)いをやる。ドアをへだてて、幽玄の味わいを籠めた、謡曲の聲が流れてくる。株は金儲けのためだが、謡曲は英子の趣味の一つで、習い始めてすでに十年餘のキャリアがあり、堂に入った聲調だ。

左絵が、その女社長の彼氏を見たのは、入社してすでに半月餘り経ったときで、

「英子はいるかな」

と、橫柄な態度で事務所にはいって來た和服姿の男がそれであった。羽織袴に白足袋とう日本式の禮裝の、鶴のように痩せた老人で、謡曲に関係のある人物かもしれない。そのように左絵は見當をつけた。

はじめは、女社長の父親ではないかと左絵はおもったのだが、勝手に社長室にはいって行ったその老人の、

「さあ、脫げ」

と、いう聲を耳にして、それが立花英子の彼氏であることを左絵は察した。

「はい、脫ぎますわ、あなた」

その英子の聲も左絵の耳にはいった。怖い美しい眼をした、勝気な三十代の美人社長が妙に弱々しく言うままになる様子だ。

「さっさとすっ裸になるんだ」

と、老人の荒い聲がし、平手打ちで顔を張ったような音がした。

左絵はしずかに椅子を立って、ドアのほうへ寄って行った。見たい、という誘惑に左絵はかられた。抗し難い誘惑だった。

古風な木製のドアには鍵穴がある。

しずかに左絵は身をかがめて、鍵穴に目を當てた。

全裸の肢體をさらしている立花英子が、キャビネットからスーツケースをひっぱり出して、機に置いた。老人がその蓋をあけて、ひとかたまりの黒い衣類をとりだした。

黒いブラジャー、黒いガードル、黒いストッキング。

肌の白い、肉づきのいい豊艶な裸身に立花英子はそれらの黒い布類をまとった。あでやかでエロチックな外人娼婦の姿が、社長室の中に出現した。息をころして鍵穴からのぞいている左絵は、ふと錯覚におちいりそうだった。その娼婦スタイルが、自分の姿におもえた。

(そっくり………)

と、左絵はおもい、じっとり粘膜がぬれるような昂りにおそわれた。

羽織袴の老人は椅子に座って、おもむろに煙草を吹かし立花英子はブラジャーをずりおろした。豊満な**がはじけるように露出した。英子は笑って老人に何か言うと、黒いストッキングに飾られた長い腳を開いて、白い腹と黒い茂みを老人の目の前に差し出して、指を下へ這わせた。やわらかな肉の扉を分けて、指がなぶりだした。

「ハア………」

英子のオナニーがしだいにはげしくなっていく。

女肉の內側に指を妖しく使いながら、赤くほてった顔を上に反らし、腰をゆすり、尻をゆする。そして低くさけびをあげる。

老人は座っている椅子を叩いた。すると、英子は椅子に片腳をのっけた。艶美な白い股間が大きくはだけた。桃の実のような秘宮がなまなましく老人の目に映り、英子はその突起しているクリの部分を刺激しつつ、

「い、いくウ………」

「ばか」

と、老人は叱って、いささかうろたえぎみに張形を渡した。

受けとるやいなや英子はその巨陽形の淫具をすばやくうずめた。のみこむような感じで深くおさまったのを左絵の目はとらえ、英子のその部分のサイズの大きさを左絵はおもった。

老人の手が淫具にさわる。すると、英子は股を締めつけて、それが動かないようにする様子だ。

「もう、わたし」

いったのよ………と英子は掌を合わせた。

「かんにんしてよ、あなた」

老人は腰を上げ、スーツケースの中をいじって革鞭を取り出した。

六尾に分かれた枝鞭を老人は素振りして、英子のうしろにまわり、

「いい尻じゃのう、おまえの尻は」

と、撫でまわす。

英子はおびえた顔でうしろを見て、

「打たないで、あなた。………続けますから」

ふたたび淫具をうごかして英子は抽送をおこないだした。

老人は鞭を振りあげ、橫なぎに、白い豊満な尻を打ちしばいた。びしっ、と柔らかな脂肉がひびきを立て、

「うッ」

と、英子はうめいた。

びしっ! びしっ!

六尾の鞭が白い柔肌に食いこむ。

「アア」

「ウッ」

「ヒーッ」

娼婦スタイルの女社長は椅子の背もたれを両手でにぎりしめ、尻が鞭を浴びるたびに聲をあげ、蛇のようにのたうった。

バラ色に赤く染まっている尻がくねくねと踴るさまは、老人を挑発して、その嗜虐をあおりたてるような妖艶なエロチシズムが漂った。

「もっと! もっと打ってお尻を熱くしてえ」

「このアマ」

かわいくてたまらぬというように老人は赤い臀肉をわしづかみにして、片手を會陰部にすべりこませると、英子はしとどに愛液を洩らした。老人の骨張った手はイキのいい女の息吹に濡れた。

「若いのはうらやましい」

と、老人は言い、ふたたび猛然と尻打ちをおこないだした。

「ひいーっ」

英子の悲鳴、のたうち踴る尻。

鍵穴からのそきつづけている左絵は、體の芯がたぎり、肌が汗ばんでいる。

鞭を振いつづける老人は力が弱まり、息をきらしてあえぎだした。

鞭を捨てて老人は衿をぬぐと、くずれおれるように椅子に座った。

英子が前に跪いて、老人の著物の裾をはだけ、顔を伏せた。

英子が何をしているのか、老人の背中にじゃまされて左絵の目には見えないが、口を使って老人を刺激していることは十分に察せられた。

老人が、やがて、

「だめじゃのう………」

と、つぶやいた。

左絵は、老人の背中にさびしい影がにじんでいるのを見た。それは顔に表れる表情よりももっといたましい偽りのない、老いを哀しむ表情だった。

「もういい、英子。やめろ。おまえの努力はうれしいが、しかし、わしはダメじゃ」

英子のいっしょうけんめいな口唇の奉仕に対して、老人はいたわりの言葉をかけた。それで二人の性戯は終わった。

夕暮れ。

女社長は高層ホテルのスカイレストランで中原左絵に食事を奢った。食事中は仕事の話をしたが、デザートのときに、

「あの人はもう齡(とし)で、不能なのよ。女の體をいじめてたのしむだけなのよ」

と、顔を赤らめて立花英子はそう言った。

「となりに內勤の人がいても社長室で私を裸にさせて、鞭で打つのよ。それもあの人の好みなの。裸のお尻を打たれる肉のひびきや私の悲鳴を他人に聞かせて、よろこぶのよ。前の事務員さんはそのヘンタイ的なムードが嫌になって、退職したのよ。左絵さん、あなたも嫌になったのじゃない?」

と左絵はちいさく首を振って、

「わたし、社長さんのもとでいつまでも働きたい」

理知的なきれいな瞳がうるみを帯びて、甘えるような口ぶりだった。

「いつまでもいてよ」

英子の雙眸にも情感がゆらめいた。

「わたし、前に居た會社のドイツ人の社長からエネマでいじめられていましたわ」

「エネマ?」

英子は考える目になったが、すぐに、

「浣腸?」

と、おだやかに言った。

「はい」

左絵は頬をもみじいろに染めて、可憐な美しさになった。

「秘書であり愛人でしたから………彼が好きでしたから………彼の好みに合わせてエネマをされ、そしてアナルセックスを………」

「左絵さん、ちょっと待ってよ」

立花英子はロングサイズのタバコをイキにくわえて火をつけると、ゆっくり紫煙を吐いて、

「おしりにされていたの?」

「ほとんど」

「そう。スゴイ経験してるのね」

「いや、そんなに顔を見つめないで」

「車の中でおしり見せてもらうわ」

外は雪になっていて、ホテルの裏手にある駐車場にはすでに白く積もっていた。人もいず、車も動かず、靜かだった。英子の車は屋內に置かれていて、しかも大きなコンクリート柱の陰だった。たとえ人目があっても死角の場所だ。

安心して脫いでよ、と英子は言った。左絵がためらっていると、お尻出さなきゃクビですよと英子は言い、眼が光っている。

白々と尻をむきだした左絵がリアシートで俯せになると、立花英子は懐中電燈の光でアヌスをながめ、すんなりとした長いゆびを差し入れて、やさしく、巧みに、なぶりだした。

やさしさのうちにも征服の強さがあり、巧みさのうちにも加虐的な粘っこさがあって、左絵は快美にあえぎ、やがて尻をのたうたせてすすり泣きだした。粘膜の奧深くうごめく女性のしなやかな指が魔物のように、えもいえぬ快美を送りこんでくるのだった。

左絵はぐっしょり體をぬらして、二度三度とアクメをむかえ、意識を失いそうになった。

「社長さん、やめて」

もう十分だわ、と左絵は哀願するように言って、ぐったりとなった。たぎっているアヌスからしずかに指がぬけていく。その感覚にも快美の餘震があった。

左絵は抱え起こされた。

すでに腰から下裸になっている立花英子が入れかわって俯せになると、みごとな白い豊臀を割りひらいて、

「アナルエクスタシーというものを、わたしは知らないわ。左絵さん、あなたが先輩よ。教えてちょうだい」

「疲れちゃったのよ」

と、左絵は身を倒して白い尻に頬をうずめた。

いきなり、A感覚に舌の愛撫を受けた立花英子は、おどろきとよろこびの入り混じったうめき聲をあげて、

「そんなことまでしてくれるの」

「かわいいアヌス」

と、左絵は言い、貓のようになめつづける。

英子は震えていた。

左絵は顔を起こすと、ほんの淺く指を差し入れた、英子は息をのみ、臀筋が固くしこって指の侵入を拒むようだ。

「なぜ、わたし、震えるのかしら」

「社長さん、お尻を柔らかくひらいてよ。息を吐いて、リラックスして」

英子は大きく息を吐いた。左絵の指はふかく押し入った。こわいわ、と英子は言い、また震えた。

左絵のほそい指がきわめてやさしく抽送をおこないだした。英子はあえぎはじめ震えはとまった。

「アア、ヘンな気分よ」

「私もいいわ」

快美は、責め手の左絵のほうにもあった。熱い肉の花裂の、ゆびを噛んでくるような勁い収縮の感觸が左絵には快感だった。この美人社長の**の処女地を自分が拓いているのだという思いが、その新鮮な収縮からいっそう昂まるのだった。

「もういいわ」

立花英子は恥じらいを示して、

「よかったわ。もうやめて」

「まだほんとに満足してないみたい」

不服そうに責め手は言った。

「ぬいて、指を」

左絵はしぶしぶ抜いた。

英子は身づくろいをしつつ、

「あまりよくないわね。でも、すこしはよかったわ」

「あいまいな言い方だわ、社長さん」

「さ、帰りましょう。あなたの家まで送って行ってあげるわ」

英子は運転席に移ってエンジンをかけた。

車が門の前でUターンして去って行くと、

「左絵」

と、雪の降る庭から聲がして、鬆の木の陰から山田次郎がのっそりと現れた。左絵はべつにおどろくふうもなく笑った眼を向けて、

「待ってたの?」

「おそかったじゃないか。いまごろまで何をしてたんだ」

ちかごろ、この年若のクリーニング屋の店員は馴れて暴君的になり、左絵の尻をぶつのだ。

二、三発しばいてから、

「男か」

と、言う。

「え、何?」

と、左絵は問い返したが、意味はわかっているのだ。

「いまの車の奴だ」

誰か男に送られて來たのではないかと次郎は疑っているのだ。その男と左絵が関係しているのではないかという猜疑(さいぎ)心がある。

「女よ。女社長の立花英子女史よ。食事をご馳走してくれて、送って來てくれたのよ。あ、次郎、そんなにお尻をぶたないでよ」

「左絵は俺のものだ」

「そうよ。あなたのものだわ」

調子よく左絵は答えながら、このコ、扱いにくくなった、と胸の中でおもう。

「次郎、今夜もまたわたしのおしりを責めたいの? そんなに中原左絵のおしりがよくなったの」

笑いながら左絵はキーを差し込んでロックをはずした。次郎が、扉を引いた。

玄関に燈がともり、その明るさの中で左絵は恥じらいの笑みを浮かべて、

「わたし、まるでほんものの娼婦のように淫らなことを言うようになったわ………大學を出ている女だけど実に恥知らずな女ね」

「俺は中卒。クリーニング屋の小僧」

次郎の目が不敵に笑って、

「インテリのお嬢さん、ふしぎな縁だネ」

「のっぴきならない関係になってしまったわね、クリーニング屋の店員さん」

「男を作ったら殺す」

次郎の目がぶきみに光った。

彼は寢室にはいると、腰に巻いていたくさりをはずした。クリーニング屋の主人が飼い犬の土佐犬を曳くための、がんじょうな鉄のくさりだ。

「男を作ったら殺す」

と、次郎はふたたび言い、くさりを左絵の白い頸に巻きつけた。

彼は絞めた。左絵は息がつまる。

恐怖しつつ左絵は妖しい性の昂りをおばえた。くさりはゆるんだ。脫げ、と言われて左絵は服を脫ぎだした。くさりが鉄の音を立てて床に落ちた。

「次郎さん」

娼婦スタイルになったほうがいいかと左絵は訊ねた。すると、次郎は怒ったように強くかぶりを振った。左絵のあの娼婦スタイルは魅力的だが、前の男の名殘がある。ドイツ人の匂いがある。見たことも逢ったこともないその男に、次郎は嫉妬しているのだ。

生まれたままの一糸まとわぬ裸身をさらして左絵はうしろ向きになり、妖美な白い尻を見せてサイドボードからエネマ筒を取り出した。

「500cc」

と、次郎が言う。

「OK」

左絵のしなやかな指は大きなガラス筒をつかんだ。

「ワインを入れる」

と、次郎。

「OK」

「ドイツのじゃない。日本のワインをお前のアヌスに飲ませてやる」

「OK」

國産の赤ワインのボトルを左絵がテーブルに置くと、二郎はくさりを拾いあげて、左絵の尻を打った。

「おう!」

左絵はよろけた。骨も砕けるような衝撃だった。続けて鉄のくさりが尻を打つと、全裸の女體はつんのめって、床に両手をつき両膝をついて、よつんばいになった。

「尻打ちしたいのならベルトで打って。そんなもので打たれたら肉も骨もバラバラになりそうよ。お願い、ベルトで打って」

左絵は哀願した。

「左絵、俺はコドモじゃないぞ」

次郎は笑い、くさりで打つ。よつんばいの白い柔美な尻の肉に鉄の鞭がくいこむ。

「ぎえー」

打たれる尻は血アザをにじませ、たまげるような悲鳴が華美な寢室にひびく。

くさりの鞭打ちが続く。

左絵の悲鳴がさらに甲高くなっていく。

「ナチス」

と、次郎が言うと、

「おお、ナチス!」

と、左絵は答えて、血を流している尻をぐっと押し立てた。

「次郎、気のすむようにして」

優美なマゾのメス犬に妖気がみなぎった。

鉄がうなってガッとめりこむ。血しぶきが立ち、

「きえーっ」

と、左絵が泣き狂う。

女體の蜜の香りが漂いだした。

次郎がうしろにしゃがんだ。

「開け」

左絵は硃色の臀丘を割りひらいた。血に濡れる菊花につめたいガラスの嘴管がめりこむ。

「ア、ウ………」

「左絵、殘酷にされるのがいいんだな」

このコはもはや手に負えなくなったと左絵はおもい、ドレイの感情に染まった。屈従する肉奴の心理だ。

「わたしたちのセックスは悪魔の肉のよろこび。悪魔の肉の祭典」

うしろからワインをいれられながら左絵は震えるような聲でつぶやいた。

ワインの注入が深まるにつれ、左絵の**に倒錯のアナルエクスタシーが拡がっていく。

「ああ、次郎、左絵はフリッツ・レンツのことは忘れてしまうわ」

俺はこの言葉を聞きたかった、と次郎はおもった。ついに左絵はその言葉を吐いた。言いようもない満足と、ドイツ人の驕慢な幻影がほろびていく勝利感が、次郎の胸を占めた。

「今夜のエネマは最高だ。紅い酒がゆらめきながらはいっていくのが、美しい」

次郎は言った。

「ワインをいれるなんて悪魔の発想よ。………酔う。左絵は、アルコールに酔う」

じっさい、左絵は急激に酔って、異様な悶えをしはじめた。次郎はその左絵の腰をがっしり抱いて、ポンプを押しきり、500ccの酒をぜんぶ注入し終わった。嘴管をぬくと、紅酒が噴きこぼれた。それも妖しい美しさだった。

「行かせてえ、おトイレに!」

左絵は泣きながら體を抱えられて、むりやり肘掛椅子のうえに乗せられた。次郎はくさりをしごき、左絵の背を打った。薄い背肌は裂けて、血がにじんだ。左絵はうめきながら姿勢を直し、完全にうしろ向きになって尻を高くもたげた。

「早くして!」

と言ったのは、排泄衝動が切迫しているからだ。顔麵蒼白、脂汗を流している。

次郎の活きのいい、灼熱の巨砲がめりこんだ。左絵は叫び、そのせつな、アクメに達した。快美が矢のようにはしって、ラブジユースが溢位した。洪水のような愛液だった。

活きのいい巨砲は精桿で烈しく、ピストン運動を送りこんでくる。女體のA感覚の粘膜のきしる音がして、左絵に二度目の快美の津波がはしった。左絵は泣き狂い、その白い裸身は美しい野獣と化して優雅に尻を舞い踴らせた。

次郎は放射したとき、くらくらとしためまいに襲われた。彼の快美はそれほど深く、強烈だった。

**が果てて、彼は殘虐の気分が湧き、椅子にくさりで左絵の體を縛りつけて、ドイツ人の男が使っていたマドロスパイプをスペルマにぬれているアヌスにくわえさせて、そして帰り去った。次郎は店で仕事がまだ殘っているのだ。

左絵は自力でくさりをほどいた。椅子をおりると、這ってトイレに行き、排泄した。

「縛られてるの。助けて」

寢室にもどって、左絵は立花英子に電話をした。強盜に犯されたのよ、と言った。変だとおもいながら立花英子が駆けつけてくると、じっさい、左絵は全裸の姿で鉄のくさりで椅子に縛りつけられていた。

尻を向け、アナルゾーンにマドロスパイプをくわえ、煙りがゆらめいていた。縛られ方が不自然で、自分で縛ったのだと英子は見破ったが、そんなことはどうでもよかった。中原左絵の被虐の美に、英子は魅了された。何も言わず、ただ黙ってながめつづけた。左絵もまたものを言わず、英子の貪婪(どんらん)な視線を浴びつづけた。

伊代−−聖母肛虐

荒稽古が終わった。

「てめえらまだだらけてやがンぞ。てめえもてめえも、てめえもだ」

風井政二は、死にそうに疲れている下級生の部員たちを一人一人竹刀でひっぱたいた。

本日最後の気合いを入れてやって、

「よおし、解散」

「ありがとうございました!」

クモの子を散らすように部員たちは帰って行く。

風井政二はひとり體育館二階の空手道場に居殘ったかっこうで、厚い板張りの床にあぐらをかき、煙草をつけ、汗にまみれた空手著をゆっくりと脫いだ。バスタオルで胸や背中の汗をぬぐうと、立ち上がって、のっしのっしとロッカー室へはいって行った。備えつけのスタンド式の灰皿に煙草を捨てて、もう一度バスタオルで體を拭いて服を身にまとった。

彼は首をかしげるしぐさをした。どうも煙草の味がまずいのだ。舌が荒れている感じである。舌の奧が苦い。ゆうべ焼肉屋で、すごく辛いキムチを二皿喰ったせいだろう。空手部部長をしていた助教授が、舌癌にかかって目下入院中だ。−−まさか俺も舌癌ということはねえだろうな。かすかな恐怖感をおぼえながら、風井政二は灰皿に唾を吐いてみた。唾は白い。なんちゅうことはねえ、とおもった。

風井は目下正式な部長のいない部長室にはいって行った。

「すんだぜ。ガキどもは帰ったヨ」

「ああ、ごくろう」

と、キヤプテンの鬼塚衛(まもる)が抑揚のない聲で答え、麥焼酎の一升瓶を抱えて一合グラスになみなみ注ぐ。鬼塚も風井も湯で割ったり水で割ったりはしない。生の焼酎をぐい飲みするのだ。

風井はグラスを受け取って、橫目づかいに裸の女を見た。

スチール製の大機に全裸の女が胸を打ち伏せて、丸出しの臀部を鬼塚の目の前にさらけだしている。

海浜の街區で、ホテルを二つ経営している富裕で美貌の女性だ。一年生の新人の空手部員若宮明夫の母・若宮伊代のこの全裸の肢體を、風井政二が見るのははじめてではない。

「鬼塚、おまえな、よっぽど年増の美人が好きなんだな」

風井はそう言い、舐めるような眼でその全裸の女體の肌の青白いこんもりと盛り上がっている臀部を見る。

魅惑的な、エロチックな感じのする美しい熟れた尻だ。

「俺に」

と、鬼塚が言う。

「レイプされた恨みをこの女はまだ忘れちゃいねぇようだぜ。俺の言うままになっているようで、じつはな、なかなか意誌が強くてウラミの火を消しちゃいねぇんだ」

「女はコワイぜ」

ませた口を叩いて風井は笑い、焼酎をぐいと呷った。

「私のこと、忘れてほしい」

ふと、若宮伊代が言った。顔はデスクに押しつけているので、低いこもり聲だった。

「忘れてほしい、か。キザなセリフ吐くな。晝下がりのメロドラマじゃあンめえし」

鬼塚は冷え冷えとした口調で言い、口もとに薄笑いをうかべて、

「風井よ、人生退屈だな、酒も女も俺は飽いたぜ」

風井は低く口笛を吹いた。鬼塚さんヨ、あんたのセリフもずいぶんキザだヨ。と、肚の中で彼は皮肉を言った。

「明夫は、帰ったのでしょうか」

尻むきだしの若宮伊代の耳たぶが、紅い。丸々とした白い豊満な尻たぶをきゅっと締めて、會陰部を秘し隠している。固く固く尻を締めて、恥じらいの火が、耳をいちじるしく紅く染めているのだ。

「安心して尻を見せてな、明夫はヨ、帰ったから」

言いながら風井はムラムラと若宮伊代の尻にさわりたくなった。が、彼は辛抱した。辛抱したのは、鬼塚への妙な対抗意識のせいだ。

「尻も白いが、太腿も白いなァ」

風井は讃美の言葉を吐いた。

鬼塚が、ニーッと笑う。

「この女の裸を、おまえ、今日はヤケに見るじゃないの」

「見て見ぬふりというのもきついからさ」

「女のことで俺はおまえと張り合う気ねえよ。くだらねぇからね」

鬼塚はそう言って、椅子から立ち上がると、若宮伊代の白磁色の臀丘を冷たい眼でじっと見據え、

「有閑マダムの尻だ。栄養たっぷり、寶石のように白く輝いてやがる。虐待してみたくなる尻だぜ」

「結構、虐待してるんじゃないか」

「風井、俺がサドだというのか」

「オット………カラミなさんなよ、キャプテン」

鬼塚はデスクの引き出しを引いて、アイスピックを取り出した。

この私大四年生の屈強な若者は空手四段だが、ケンカのときにはかならずアイスピックを使う。ドイツ製の堅牢なアイスピックを、彼は一種のマスコットにしている。

若宮伊代の尻を、アイスピックが刺した。

うっ………伊代が呻いた。

「俺はサドか、言え、伊代」

伊代は悲鳴に似た聲で、

「ノォ」

と、言う。尻の肉をアイスピックで刺されながら、いいえと言うのが哀れだった。鋭利な錐(きり)が柔らかな厚肉にめりこみ、血のりがしたたる。血の糸が赤く這う尻肌は白さがかえって際立った。

鬼塚はひきぬき、そして右臀をぶすっと刺した。

悲鳴をあげて若宮伊代は尻をよじった。

「おねがい………お口でご奉仕させて」

伊代は裸身を起こした。娘のように丸く張った豊かな**、ひきしまった白い腹部、そして恥毛の翳りを風井は見た。

鬼塚は椅子に座りズボンの前をはだけ、怒張をむきだした。

白い全裸の美女の體は椅子の前でもうずいて、首を差しのべ、加虐的なパワーをみなぎらせて屹立している肉莖に口で挑んでいった。虹色のオパールの指輪をしている白い長い指が根もとを握って、その肉の棍棒を咽の奧までくわえこんだ。

「俺は帰るぜ」

風井は言った。言ったときには、體がもうドアの外に出ていた。

チキショウ。

彼は、わけのわからぬ腹立たしさに駆られた。

風井は口腔クリニックの待合室のソファに座った。

患者が大勢だ。

(世の中病人ばかりみてぇじゃねえか)

風井は一時間近く待たされ、ようやく順番が來て診察室にはいった。醫師が症狀を聞きそして舌を診(み)た。癌じゃないね、と醫師が笑って言うと、風井も笑い返して指の関節をボキッと鳴らした。きみの體は鍛えている體だね、と醫師が言った。空手です、と風井は言った。醫師の目が笑った。みくびってるな、と風井は思った。

「舌が少し荒れている。煙草の吸いすぎ酒の飲みすぎかな。ともかく、大したことじゃない。薬を処方するから受付で待ってなさい。癌じゃないんだから安心していいんだよ」

貰った薬袋を、風井は橋の上から川へ投げ捨てた。

川は広く、濁水がうねって灣口へそそいでいる。

百萬都市の海岸線の街並みが近代風に整って一種の美観を呈している。

風井はその遠景を視(み)る。

未亡人である若宮伊代の経営する二つのリゾートホテルが、塔屋や窓に、初秋の夕日を浴びて聳立(しょうりつ)している。高層ホテルの偉容だ。そのオーナーである美人の社長が大學の體育館の空手部部室で全裸にされて、尻をアイスピックで刺されたり、ナマ尺の奉仕をさせられたりしているのが、ウソのような気がする。しかし、若宮明夫の母、伊代が麗しい豊熟の**を嗜虐されていることは、

(事実だ)

風井は胸の中でつぶやいた。

風井は自分の中に血鳴りを聞いた。**が兇暴に荒れる感じだ。

(俺、あの女に惚れているのか)

心理のふかいところにふれた気がした。風井は苦っぽい顔つきになって、長いコンクリート橋の人道を歩きだした。

空手部副將はさかり場にまぎれ込んだ。はやばやとネオンをつけている橫丁にヤキトリの煙が漂っていて、殘暑の暑熱がひとしおだ。赤提燈ののれんを分けて入って、風井はどっかと床幾に腰を據えた。

「らっしゃーい」

ハチマキ巻いてハッピを著ている若者は、おそらくバイト學生だろう。

「ヤキトリ。サツマ白波。キムチは二人前だ」

風井は註文して、

「アイスピック、か」

と、ひとり言を言った。

一時間近くその店にいて、風井は脂っこいものをたらふく食い、たらふく飲んだ。

のれんを出ると、街は夜の色だ。わずかにすず風も立っている。

風井は大學のキャンパスにもどった。本館B棟の美術研究室に燈がついていたが、風井はそんなものに用はない。彼は體育館を見上げた。二階の一カ所に燈がついている。教師も警備員も怖れて近づこうとしないその空手道場の部長室の燈は、治外法権、ワルの象徴の光輝のようだ。

悪(ワル)の一翼を擔う風井政二もその室にはいるとき、時が夜のせいか、妙な畏怖を覚えた。

彼は扉を押してはいった。

若宮伊代が泣いていた。浣腸をされていて疲れきった弱々しい聲で泣いている。

「風井、また來たな。見たきゃ見ろよ。遠慮はいりませんよ」

大デスクの上でよつんばいの全裸の若宮伊代の、高々とせりあげている尻をアイスピックで突きながら鬼塚衛は抑揚のない口調だ。

「よく見な。見れば見るほどいい尻してンだろう、この女」

みずみずしく腰がくびれ、はちきれるように盛り上がっている蠱惑的な豊臀はわれめをざっくり開かれて、アヌスにはガラス筒が嵌まり、アヌス周辺から陰裂までグリセリン液に濡れている。薄毛の、少女的な愛らしい陰裂だった。きれいだと風井はおもった。色素に黒ずみがなく桃色味を帯びた媚肉の色あいだ。四葉のラビアがやさしげにほころびて、クリトリスの珠がちょっぴり隆起している。

その女芯と密接している肛門は痛々しく孔が拡がって500ccの大筒がめりこんでいる。

中身の液は下剤グリセリンではなく、オリーブ油だ。油を入れて、鬼塚は尻を犯す気だ。

彼にとって初めての性的嗜虐であり、受け手の美貌の女性にとっては初めての性的被虐であった。

「鬼塚さん、お尻までしなくたっていいでしょう」

あさましいドッグスタイルの若宮伊代が、涙を流して、深いウラミをこめて、言った。

鬼塚は無言で臀肉を突き刺した。

若宮伊代が悲鳴をあげた。

「奧さん、俺にも尻を責めさせてくれよ」

風井は浣腸器の內筒を押して血をしたたらす美女の尻にオリーブ油を注入した。

鬼塚が全裸になった。うす笑いを浮かべながら肉莖にスキンをかぶせ、オリーブ油をぬりたくると、

「おい、もっと尻をあげろ」

バシッ、と平手打ちをいけにえの尻に浴びせる。

「ケダモノ!」

若宮伊代は悲痛に叫び、ぐっと尻を持ちあげた。

「しろ」

美貌の未亡人は首をねじって、淒艶な眼で年下の嗜虐者の顔をにらみつけた。

「さ、お尻に入れなさい」

「ええ覚悟やのォ、貴婦人さまョ」

鬼塚衛は尻を抱えこんだ。

「いやァ、入らないわ………」

にわかに若宮伊代は羞恥にあえいだ。

「入るのか」

と、風井。

「ぜったいこの尻を淩辱してやる」

と、鬼塚。

「鬼塚さんよ、俺の持ち物のほうが大きいぞ」

「俺のは硬い」

その硬いのが、オリーブ油のぬめりにのって若宮伊代のアヌス孔をえぐっていく。伊代はうめき聲をあげ、風井は息をのんで見つめる。

「アア、痛いわ、裂けるわ………」

「動くな。じっとして靜かに尻をゆだねているんだ」

「アア、あなた、むごい人ねえ………」

アヌスの肉襞がまくれ上がって、若宮伊代は腸腔に入れられた。鋭い痛苦が走る。同時に変態行為のおぞましい感覚が、彼女の精神に衝撃を與える。

「強姦魔のあなたに口も使って………そしてお尻も使って奉仕する女のくやしさが………恨みが………わかりますか」

ひきつった聲で若宮伊代は言う。

「ああ、痛いわ、あなたー」

「いい尻の味だ」

と鬼塚衛は言い、ぐっぐっと腰を使って抽送しだした。

処女花のアヌスをしごきたてられる若宮伊代は、首を反りあげて火のような荒い息づかいになっていく。白い**がはずみ、白い腰がしなう。

暴虐な肛交のなまなましい実演を見ている風井政二は、眼をギラつかせ、額ぎわにじっとり汗を噴く。

「奧さん、尻を責められていいのか」

若宮伊代は答えない。えぐりぬいている鬼塚衛も無言だ。二人はただ動物めいた荒々しい息づかいで行為を続ける。

ふいに鬼塚の動きがとまった。−−射精だ。

若宮伊代も尻の動きを止めて、若者の熱いエネルギッシュなエキスのほとばしりをアヌス粘膜に吸う。精を吸いつくすように彼女は臀筋を締めていた。括約筋のその締まりが、見塚に絶妙の快感をもたらした。

終わったあと、鬼塚はやさしかった。

おまえはもう帰ってくれ、と風井政二を追いやって、伊代をくつろがせると、苦しい生汗をにじませている全裸の白い肌を拭いてやり、それから洗麵所につれて行って伊代のたぎっている肛門を冷たい水で洗浄してやりながら、

「きつかったろう、すまなかった」

と、なぐさめの言葉を伊代の耳にささやいた。

伊代は涙ぐんだ。

この男のやさしさは、むしろきみが悪い。女あしらいのテクニックだとわかっていても、ホロッときて涙ぐんだのだ。

第三者の風井政二が、この場から消えたことは、伊代には大きなくつろぎだった。

「灼(や)けた鉄棒がまだ尾てい骨からめりこんでいる感じだわ」

冷水で尻を洗われながら一種、柔和な表情で伊代は言い、両手でそっと**を握った。

心臓の鼓動がまだ高く速い。

「わたし、お尻でしたのね」

「フフ。どんな気持ちだ」

「お尻が熱く疼いているのにお尻でしたとは信じられないような………奇妙な気持ち」

「おまえ、風井は好きなタイプか」

いいえ、と伊代はかぶりを振って、

「どうしてそんなことをきくの?」

「べつに」

と、鬼塚は笑い、ほっそりとした伊代の肩に口を押しつけた。噛まれると伊代は怯えるが、彼の唇は肩から首すじへとやさしく這い背中から腰のくびれまでこまやかに愛撫のキスをする。尻にも口づけされると、伊代はわななく感じに襲われた。アイスピックのむごい加虐が、ウソ事のようにさえおもわれる。ねんごろに舌がうごめいて臀丘を舐めあげると、やさしくわれめを拡げられてアヌスへ接吻、そして陰裂への接吻。

伊代の瞳から涙が流れだした。悲しいのかうれしいのか、自分でもわけのわからぬ涙だった。

やがて、ふたりは體育館から夜の暗いグラウンドに出、フェンス伝いに歩いて、フェンスの破れているすきまから學園の外に出た。

外は古い家並みの靜かな通りだ。

シックな秋のモードの、すらりとした若宮伊代が、セクシーな細腰を抱かれて歩きつつ、會話の運びから。

「ホテルの経営は並大抵の事ではないのよ」

と、しんみりとそう言った。

「競爭が激しくて、女社長の私は神経が參りそうなときがあるわ」

「ウソだな。おまえのホテルは儲かってる。俺の兄貴は経済興信所に勤めているんだ。ホテル業界の情報にもくわしいんだ」

伊代は立ちどまり、強くかぶりを振った。

「サバイバル競爭だわ。キャンパスの外の世界はねぇ、きびしいのよ」

「俺は社會人なんかにゃなりたかねぇ」

「ねえ、どこかで食事しましょ」

鬼塚は若者相手の店でハンバーグサンドとジュースを買い、その隣にあるパーキングビルにはいってエレベーターで三階に上がる。伊代は車の中で待っていた。車は白のベンツで、伊代の愛車だ。包みを抱えて鬼塚が助手席に乗り込むと、やにわに伊代の肩を抱いて**を揉みだした。

「虐めるぞ。さっきはやさしくしてやったからな」

と、鬼塚は言う。

「ジュースを飲ませて」

「尻でジュースを飲むか」

「いやよォ、あなた」

薄暗がりの中でも、白く整っている伊代の顔がせつなく羞恥にいろづいて、

「今夜はもうお尻を責めるのはかんにんしてぇ」

「俺、さっき考えたんだが、美しくて上品なレディのおまえに明夫とアナルセックスをさせてやる。相姦のアナルセックス・ショーを俺は見るんだ」

若宮伊代は沈黙し、火のような瞳で鬼塚の目を見つめた。

(殺してやりたい)

伊代の切れ長な大きな瞳は憤りに燃える。

鬼塚は冷たく笑った。

伊代は胸をはだけられ、ブラジャーを奪(と)られた。

豊満に丸く張り出している白い**を、アイスピックが苛みだした。

伊代は悲鳴をあげだした。

人気(ひとけ)のない、車が物體の靜かさで並んでいる夜のパーキングビルの中で、凶暴に近い**嗜虐が続くと、伊代は雙つの**を血まみれにして苦痛と恐怖に戦慄し、

「あなたのを出して、口でしますから」

と、震えて泣く。

「パンティを脫げ」

「………はい」

腰を持ち上げて、伊代はパンティをめくりおろす。

「みな脫げ。すっ裸になるんだ」

「………はい」

全裸になった伊代が、リアシートへ移って尻を差し出した。

年下の嗜虐者もうしろへ移る。

「うっ−−」

アイスピックが臀肉を刺す。

「尻を開け、美人の女社長」

「はい………ジュースをお尻に飲ませて………お尻にファックして………刺すのはやめて………お願い、アイスピックはもう使わないで」

震えて持ち上げている尻に嗜虐者がオリーブ油をぬりつける。

「アヌスもあなたのものよ」

震えて伊代は言う。娼びる甘い言葉は、恐怖心から出ている。

鬼塚が500cc浣腸器にオレンジジュースを吸い上げる。

「−−あなた」

といって、若宮伊代は裂けんばかりに尻を開いた。

「入れてください」

オリーブ油にぬらぬらと濡れている肛門に硬貨ガラスの嘴管がはいる。

「ああ、あなた………あなたァ………」

鬼塚はたっぷりジュースを注入すると、昂って怒張している肉莖にスキンをかぶせ、ジュースの液を垂らすせまい肉孔に挿入した。

せまい肉孔が甘美に締める。新鮮なアヌスの収縮だ。くいちぎるように男を締める。

「いいぞ、伊代」

鬼塚はうっとりとした聲を吐いたが、その挿入の狀態で、ハンバーグサンドを食いだした。おまえも食え、と言われ伊代は自分が犬になったような感覚をおぼえた。アヌスを犯されながら口でものを食べるのだ。

「あなた、二回目はお尻が感じるみたいですよ」

伊代は言い、そして健康な若々しい歯はハンバーグサンドを噛みだした。

伊代はあるビルの五階にあるスナックバーに連れて行かれた。

プラハという名の店で、隣は同じくプラハという屋號の麻雀屋である。

エレベーターを出ると、鬼塚はそのジャン荘をちょっとのぞいてからスナックの黒いドアを押して、伊代を先に中に入れた。

風井政二がいた。奧のボックス席で女と一緒に飲んでいた。

風井が顔をあげてこちらを見、手招きする。

鬼塚は伊代の腰を抱いてそっちへ行く。

「なンとなんとまたお前と逢ったジャン」

「鬼塚さんヨ、まだ若宮伊代を解放してやらねぇのかヨ」

女子大生風な若い娘の肩に手をまわしている風井が、なんとなく餘裕を見せてそんな口を叩いた。

「もう解放してやってもいいぜ」

鬼塚はうすく笑って、伊代の尻を叩いた。伊代は赤い顔になってシートに腰を沈めた。

軽く尻をぶたれてもアヌスにぴりりとデンキが走る感じだ。

「おまえの尻、まだ気分出してるみたいだ」

「そ、そんなことない」

カウンターにはずらっと客が座っていて、ママと二人のカウンターガールは手があかない様子だ。

「おーい、こっちにもビール」

と、鬼塚がドスのきいた聲をあげてニーッと笑った。

「風井、紹介してくれよ」

「さっきケイ・アンド・ケイで知り合ったばかりで、俺はまだこのコの………」

名前も知らねぇ、と風井は橫の娘の顔を見て笑う。ケイ・アンド・ケイはディスコクラブである。

「あなたたちの大學に淺野という教授がいるでしょ」

娘が笑って言う。

「経済學の教授の淺野先生、知らない? わたし、彼の娘です」

「−−へぇ、おまえ、淺野教授の娘か」

風井が大げさに肩をすくめた。

「ほんとかヨ」

と、鬼塚もちょっとおどろいた顔つきで、じーっと目を據えて見、

「きれいだな」

と、言った。じっさいフレッシュな美貌の娘である。

もぎたてのレモンのような感じがある。伊代もいつしか目を凝らしてその娘を見ていた。娘の目が見返してくると、伊代は目をそらした。

四人はとりとめない雑談をした、淺野教授の娘はひかえめに発言した。しかし、話しぶりはユーモアがあっていきいきしていた。黒い瞳がかがやいて、気品があって、聡明な感じだ。肌の白い伊代に劣らず、艶やかな白い肌をした美しい娘である。

風井がおもい出したように名前を訊くと、

「淺野珠代」

と、ハッキリ答えて、

「こちらのエレガンスな女性(ひと)を私に紹介して」

と言う。

「私はねぇ、私の家で、息子の先輩の空手部キャプテンからレイプされて、それ以來、**関係を続けている女です。凶暴な人ですからおそろしくて逃げることもできないでいるんです。三年前に夫を亡くしたこの未亡人の體は、サディストの彼のなすがままです。**も、あそこも、お尻も殘酷に虐められるわ。私の職業は、ホテルの経営。シーサイドホテル〈白鴎〉〈北鬥〉のオーナーです。名前は若宮伊代です」

伊代はそう言うと、立ち上がって、妖しいような微笑を口もとに漂わせて淺野珠代に頭を下げ、カウンターへ足を運んだ。

伊代は勘定を全部払うと、ドアを開けて通路へ出た。

伊代は佇んでサディストの情夫が出て來るのを待った。

風井政二が出て來た。

「教授の娘を鬼塚に譲った」

風井は言い、伊代の腰のくびれにぐっと腕を巻きつけた。

「鬼塚とは話がついたンだ。おまえの體、俺が自由にする」

「私の體、どんなふうにしたいの」

乾いた抑揚のない聲で若宮伊代は言い、意誌のない人形のようにふらっと歩きだした。

三日間、母の伊代が家に帰らない。

「先輩、ママはどうなってるのでしょうか」

明夫がおそるおそるキャプテンの鬼塚衛に言うと、

「風井に訊け」

と、言われた。

「風井先輩にですか」

「おう。てめえのママのことは風井にな、訊くんだ」

その日の夕方、副將の風井政二が民芸茶屋で酒を奢ってくれて、

「中肉中背、麵板の張った、色の白い、若々しい體を惜し気もなく俺に捧げてくれる。おまえのママの伊代はじつにすばらしい體をしてる。たっぷり蜂蜜(ハニー)を流して、殘酷に責めてくれ、と狂ったように泣くぜ。ホテル経営のことも可愛い息子のおまえのことも忘れはててな、性の奴隷になりきっているぜ」

「すると、ママは先輩のマンションで暮らしているんですか」

明夫はやるせなげなさびしい顔つきになって、そう言った。

「閉じ込めているわけじゃない。時々、ホテルに行って社長室の椅子に座って仕事をしているんだが、終わるとすぐに俺のところにもどって來る。可愛い魅力的な年上女だ」

「SM的なことをするんですか」

「ずばりSMだ。ふつうのことじゃ、おまえのママは體が燃えないんだ」

顎ががっしり張った風井の顔に、おもい出し笑いがゆれた。

「俺はディスコでハントした女子大生を鬼塚に譲ったが、女を交換して得をしたのは俺のほうだろう。ああ、旨(う)めぇ。酒も旨めぇ、おまえのママの體も旨めぇ」

「先輩、ぼくのママは美しい人です」

「そうだ、美しい女だ」

美しい女の白い**美の幻に惹(ひ)かれるように、風井は席を立った。

レジで勘定を払う。金は伊代が貢いでくれる金だ。

明夫をうっちゃらかして風井はマンションにもどった。

大學に近い場所にあるマンションで、四階の通路から體育館の屋根の一部が見える。勉學ということを俺はまったく忘れてるな。風井はそう思い、苦笑を浮かべた。俺は女を強姦する度胸がない。人が強姦した女のおこぼれを拾っているのか。ふっとそんなことも思った。

伊代は食事をちゃんと用意して、風呂にはいっていた。

風井は茶の間のカーテンを引いて、座布団に座り、用意されている焼酎をグラスに注ぐ。カボスが輪切りにされている。風井は焼酎を湯で割り、カボスを浮かべた。カボスの酸味で味がしまるのだ。九州大分持産のこの濃緑色の球形の果実は、秋から冬への季節のものだ。

湯から上がった若宮伊代が、香りのいいオーデコロンの匂いをさせて橫に座った。藍染めの浴衣を著て、帯はしていない。下著をつけていないのだ。

「あなた、どこでも好きなようにして」

伊代が膝をくずすと、浴衣の據が割れ、うす青く靜脈の浮いたヌメヌメとした白い內腿がこぼれ出る。

「お風呂場にカンチョウの用意してますわ」

「伊代。両隣が空室でいいな。おまえの悲鳴や泣く聲が聞こえねえ。これは幸せというもんだ」

伊代はこっくりとうなずいて、

「わたし、痩せたわ」

と、青白い笑みをこぼした。

「今日は明夫にお前のことを話してやった」

風井は言い、伊代の耳に口を寄せて何かをささやく。

伊代の青白い頬に紅みが差した。

「相姦はかんにんして」

と、切れ長な綺麗な瞳に涙を浮かべた。

「さいごの一線は守ってアヌスでやるんだ」

「今夜させるの? 今夜はかんにんして」

伊代は衿をはだけて**を出し、卓上に置いているフォークを取って、彼に渡す。

「わたしが裸になってよつんばいになってお尻を差し出しても、かれが性的に興奮するかどうかわからないじゃないの」

「おまえが形のいいセクシーな尻を開けば、明夫だって狂うさ」

風井はぐっと伊代の**をにぎりしめた。

「刺して」

伊代がにわかに強い聲を出した。

銀色の光るフォークが豊満な美しい**を虐待する。

「あなた、今夜も遅くまで虐めてね」

「マゾめ!」

淫鬼の顔で風井政二は嗤(わら)う。

「マゾにさせたのよ、あなたたちが」

伊代はしなやかに畳に転がり、藍染めの浴衣を大きくはだけてぬめ白い腹と、陰毛(ヘア)をさらけだした。

フォークの加虐が露出した陰裂に移って、クリトリスを刺虐する、愛らしい肉豆を刺し柔らかなラビアを刺し嬲る。若宮伊代の美しい白い裸身がおろちのようにのたうち、顔麵を充血させて悲鳴をあげる。

ドスンドスンと畳を打ってもだえる白い腳を風井は抱えこみ、折り曲げて、執拗に陰裂を刺虐する。

悲鳴やうめき聲をあげながら伊代は蜂蜜(ハニー)をにじませていく。無臭の、透明な真珠のような蜜液のしたたり。それが溢れて肛門まで濡らしていくと、熟した果実の液汁のようだ。

「−−イクわ」

伊代は片腕を差し伸べて、風井の首に絡ませた。空手二段の若者のたくましい首も汗でぬらぬらしている。

「いま、ファックしてぇ、アア、いま! 濡れて疹いている私のオンナをつらぬいてぇ」

「ノォッ、ノォ」

風井は焦(じ)らす。焦らして虐めて、決して挿入しない

與えられないペニスへの戀しさが、伊代には拷問的な苦痛なのだ。

「じゃ、おねがい、お尻でさせてぇ、ねぇ、お尻でさせてぇ」

「だめだ、貴族的な美しい未亡人よ、尻も、まだだぜ」

「アア、気が狂いそうよ」

「使え」

と、風井がコーラ瓶を波うっている白い腹にのせると、伊代はそれをひっ摑んで、ベト濡れの媚肉へ埋めた。ガラスの硬い瓶が性器になって蠢動しだした。

「うっ、………い………い………いく………」

伊代は彼に抱かれて口うつしにワインを飲む。

むきだしの尻を愛撫されつつ、男の唇から美酒をそそぎこまれる美女の目をつむった陶酔の表情は、妖花のような淒艶さだ。濡れた唇で、

「イッて、疲れちゃったわ」

「おまえの尻はな、肌の白さも肉のまるみも肛門の味も絶品だ」

「あなたは排便するのまで見るのね」

「鬼塚以上に俺はマニアかもナ」

「私もおぞましい被虐マニアになっていきますわ」

「おまえ、自分の家で鬼塚からレイプされたときはどんな気持ちがした?」

「怒り」

と、伊代は言った。

「それだけか」

「怒りと………それから一種ナルシスティックな満足感………正直に言ってそんな感情がゆれましたわ………でももうよく覚えていません。忘れてしまいたい記憶です。だからあなたもレイプのことは訊かないで。さ、あなた、バスルームに連れて行って思う存分に年上女の尻を責めなさいよ。あなたから尻を責められているときは、私は完全に亡くなった夫のことも忘れてしまいます。好きなのよ、あなたが鬼塚衛よりも風井政二が好きなのよ」

「おまえが尻を責められて淒い悶え方をするのを明夫に見せてやらなきゃな。なァ美人のママさんよ」

「電話をかけて明夫をここによんだらいいでしょう」

「ようし、よく言った。明夫をよぶぞ。いいな伊代」

「どうでもしてよ」

息子の明夫は、風井の電話を受けると、ピリピリしてすぐに単車をとばして先輩のマンションにやって來た。

二つのホテルを経営し、女社長として社會的な地位と権威を備えている美貌の母親は浴室の中にいた。全裸で、タイルでよつんばいになっていた。

腰を高くして豊麗な白い尻を開いているそのハレンチな姿態は、いかにも性の奴隷めいた印象だった。

「明夫、黙って、何も言わないで、見物してなさい」

そう言う伊代の聲は、羞恥で、震えた。明夫は無言でうなずき、浴室のコーナーにしゃがんだ。

「エロチックなうつくしい尻を見て、てめぇたまンねぇだろう」

風井政二が言うと、明夫はドギマギして赤い顔になった。

風井は黒いヘビのような革鞭をしごいた。革鞭が、エロチックな美しい白い尻を打ちしばきだした。

肉を切り刻むような痛烈な鞭打ち。

その一打一打に、伊代はひィひィと聲をあげて赤い條線の走る尻をのたうたせる。

尻の肉を百叩き。そして次は、肛門に浣腸器挿入。グリセリン液500cc注入。

伊代の泣きながらの排泄を風井は見る。明夫も見る。

シャワーを使って伊代はきれいにアヌスを洗浄する。

風井がオリーブ油を注入すると、

「お尻はOKよ、お尻は待ってるわ、貴男」

はちきれるように臀丘を開き切って、伊代はすごい欲情の昂りを示す。

「伊代っ、もっともっと淫らになれ!」

風井は男を求める妖かしの美肛を鞭打つ。

「お尻を淩辱してえっ、早くお尻に攻め入って」

伊代はいっそう興奮した叫びをあげながら裸の**をタイル床に押しつけ、拡大している美肛を天井へむけてヒクヒクと震わせる。

魔性の花のような淫肛の誘惑だ。

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